はじめに
日々の業務で発生する問題に対し、場当たり的な対応で終わらせていませんか?根本的な原因を解決しなければ、同じ問題が繰り返し発生してしまいます。今回は、問題の真因を特定し、本質的な解決策を導き出すための強力なフレームワーク「なぜなぜ分析」と「ロジックツリー」について、公務員の業務に即して解説します。
「なぜなぜ分析」とは?
「なぜなぜ分析」とは、ある問題に対して「なぜ、そうなったのか?」という問いを5回程度繰り返すことで、表面的な原因ではなく、その奥にある根本的な原因(真因)を突き止める思考法です。トヨタ生産方式で有名になった手法ですが、行政の現場における業務改善や政策立案にも非常に有効です。
ロジックツリーで思考を可視化する
「なぜなぜ分析」で深掘りした内容を、樹形図(ツリー状)に整理するのが「ロジックツリー」です。問題を頂点に置き、「なぜ?」の答えを枝分かれさせていくことで、思考のプロセスが可視化されます。これにより、論理の飛躍や抜け漏れを防ぎ、関係者間での共通認識を形成しやすくなります。
公務員向けの実践例:窓口の待ち時間が長い
ここでは、「市民サービスの窓口における待ち時間が長い」という問題を例に、なぜなぜ分析をロジックツリーで考えてみましょう。
問題:窓口の待ち時間が長い
- なぜ①? → 一人当たりの対応に時間がかかっているから。
- なぜ②? → 書類の確認やシステム入力に手間取っているから。
- なぜ③? → 制度が複雑で、参照すべきマニュアルが多岐にわたるから。
- なぜ④? → 頻繁な法改正のたびに、マニュアルに追記を重ねているから。
- なぜ⑤?(真因) → 職員が直感的に理解しづらい、体系化されていないマニュアルになっているから。
このように深掘りすることで、「職員を増やす」「システムを新しくする」といった安易な対策ではなく、「マニュアルを全面的に見直し、研修を実施する」という、より本質的な解決策にたどり着くことができます。
まとめ
「なぜなぜ分析」と「ロジックツリー」は、複雑な問題を構造的に理解し、真因を特定するための強力なツールです。この思考法を身につけることで、日々の業務改善はもちろん、住民満足度の向上にも繋がります。ぜひ、あなたの職場の課題解決に活用してみてください。
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